ここのところ、
「アンガーマネジメント入門講座」や
「アクティブスピーチ体感講座」
という講座を、ご要望をいただいて
実施する機会が出てきています。

どちらの講座も「感情」「思考」「言葉」が
キーポイントになっているのですが、

今日はその中で受講者の反応やコメントから
改めて強く確信したことをテーマにして
綴ろうと思います。

スムーズなコミュニケーションのキーポイント

「自分の言葉の引き出し」の中に入っている
ボキャブラリーが豊富なほど、

自分の「気持ち」や「考え」が適切に表現
でき、相手に解釈をゆだねずに誤解なく
円滑なコミュニケーションが取れる。

かたや、自分の中で使えるボキャブラリーが
乏しいと、ざっくりした表現だったり
抽象度が高すぎて、相手の解釈に委ねた
コミュニケーションに陥る。

そうすると、伝えてるのにちゃんと伝わらない
ジレンマやいら立ちが自分の中に生まれて、

「言ったのに聞いてない！」
「みんなわかってくれない」
「違って捉えられてる・・・」
「何度言えばわかるの！」
「理解しあえない・・・」
「そうは言ってないんだけど・・・」

などと、相手とのすれ違いが生じる。

コミュニケーションって、言葉以外のいろんな
要素が複雑に絡み合っているので、
高度なコミュニケーションにはそれら
の別ポイントもかなり影響するものの、

ボキャブラリーの豊富さ＝表現力の豊かさ

は、その中のでも重要要素、と言えますね。

ボキャブラリーの成長プロセス

例えば言葉を吸収中の幼児。
最初は「まんま」などの一つの名詞から
言葉を発し、

そのうち「いやいや」「おいちい」
などの形容詞、

そして「たべる」などの動詞へ進化し、
成長とともにその表現力を増やしていく。

そうして成長や経験とともに、
語彙力、表現力はどんどん広がり磨かれ、
コミュニケーションの質が向上し、

・豊かな感情表現や情景描写
・細かやで具体的な手順
を始めとした、成熟したコミュニケーション
ができるようになっていきます。

ただ、たんたんと何事も起こらない
普通の日常生活を送る程度なら、
中学校相当の語彙力でも何不自由なく、
人間関係にも支障ない人生を
送ることができるのかもしれません。

でも、それではあまりにも味気ない人生。

”成熟した大人のコミュニケーション”

は微細な表現力が磨かれ伴って、
初めて成立するものなのです。

キレる若者と初級外国語学習者の共通点

現代の若年層は「キレやすい」と
言われて久しいですが、これは

キレやすい若者の表現力が年齢より
幼く、思いを伝えるボキャブラリー
が育たないまま、大人への階段を
登っていることも一因、

とも言われているんです。

キレるところまではいかなくても、
実は、外国語を本格的に学び始めた
多くの学習者も、
これと近しい思い、苦しみ、葛藤を
経ているんです。

使えるボキャブラリーが少なすぎて
言いたいことが表現できないジレンマ。

思いを違うように捉えられてしまって、
なのに訂正する言葉を持たないくやしさ。

外国語のコミュニケーションの場合は
自分に不利なことが大前提なので、
相手に向かって「キレる」よりは、
自分を責める、恥じる、方向にいら立ちの
感情は向かいやすい傾向ですが、

「伝えたいのに、わかってほしいのに
理解されない」

という心の底の悲しみ、嘆きは共通です。

ボキャブラリーの引き出しを増やす効果的な方法

ボキャブラリーを磨く手段は

”どれだけ多くの言葉に触れられるか”。

日常生活を送りながら、多様な世界を
疑似体験できる、

「本」、「映画」

が最も効果的です。

「今よりもう少し表現力を磨きたいなぁ」

「もっと伝える力を鍛えたいなぁ」

「コミュニケーション力を上げたいなぁ」

という課題感がある場合は、

”ボキャブラリーを増やす”

こと、ぜひ意識して取り組んでみてくださいね。

継続的に取り組めば、数カ月後にはご自身の
コミュニケーションの変化を実感できるでしょう。